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【情報解禁】時間堂 次回全国ツアー ワークショップオーディション開催

次回公演情報

全国の俳優とつくる時間堂次回公演

出演者募集ワークショップオーディション 募集終了しました

たくさんのご応募ありがとうございました。

 

「センチメンタル・ジャーニィ(仮)」

台本・演出:黒澤世莉 (時間堂)

出演:時間堂劇団員+各地でのオーディション選抜者+ゲスト 総勢13名程度

日程:2014年10月中旬〜12月上旬予定 東京・大阪・仙台・札幌・福岡

...次の情報公開をおまちください...

 

「ひとの話を聞く」ことは可能か

黒澤世莉

 2011年3月11日の東日本大震災から、福島第一原子力発電所の事故が起こり、いまだに解決していないことは周知の事実です。

 2014年1月現在、原子力発電の是非について、様々な議論が行われています。議論が行われている、ということになっています。私はそこに違和感を覚えていて、それが今回「センチメンタル・ジャーニー」を書くきっかけになりました。

 原発に反対のひとも、賛成のひとも、その多くが反対意見に対する寛容さに欠けているな、と思います。議論しているようで、自分の主張をするだけで満足しているように見えます。一つの議題について、その本人にとって正解が明らかな場合、反対意見を述べるひとを馬鹿であるように扱う事が多いように思います。これは正面切って誹謗中傷する場合もあれば、無視も含みます。

 原発に限らず、例えば憲法改正についても、尖閣諸島など領土問題にしても、靖国神社の参拝の問題についても、政治的、文化的議題について、日本人は全てにおいて、「対話をする」ということが極めて苦手なのではないか。と私は思っています。自分の意見に反するものにたいして、すぐに民族的な、あるいはイデオロギー的なレッテルを貼り、その対象は異教徒だから話しにならないと断じる。これではまるで魔女狩りです。

 「人の話を聞く」

 こんな簡単なことが、おそらくすべての人が出来ると思い込んでいることが、まったく出来ていないように思います。そして、つきつめていけば、これは日本人にかぎらず、人間一般に言えることのように思います。

 人間は科学的に、あるいは論理的に、思考できるのでしょうか。相手の意見を尊重して、対話できるのでしょうか。感情や印象だけで判断せず、事実を冷静に分析することができるのでしょうか。異なる意見を持った、自分から見たら明らかに間違っている意見を持った人間と、その相手の意見を取り込みつつ粘り強く判断できるでしょうか。こと、原発事故と福島の問題については、今現在苦しんでいる多くの方がいらっしゃることもあって、感情的になりがちだと思います。

 そこで、あえてこの問題に正面から取り組むことにしました。しかし私達が戦うべき相手は福島でも原発でもなく、「非論理的思考と他者への不寛容」です。

 「非論理的思考と他者への不寛容」をより鮮やかに浮かび上がらせるために、いまではなく、過去を描きます。原子力発電のスタートです。いまでは忌み嫌われているといっても過言ではない原子力発電所も、かつては環境問題を解決する「夢のエネルギー源」だった。だからこそ先人たちは困難を克服して挑戦した。50年前の原子力発電を描くことで、いまよりも冷静に、この技術に関する思考を深めることが出来るのではないだろうか。過去からいまを見つめ、未来を見通すことが可能なのではないか。

 次世代により良い未来を手渡したい、という志向は、原発に対して賛成であれ反対であれ変わらないものだと思います。その人間性に対する信頼を持って、考えを異にするものとの付き合い方をぶちこわしたいと思います。

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